火曜日, 11月 17, 2009

iPhoneアプリ版の『弾言』『決弾』を記念してのインタビュー

なかなか示唆に満ちていたよ。
ちなみに、私は『決断』の方だけ買った。
青空文庫リーダーは幾つも試してみたが、結局普通の文庫の方で読む方がいいということになり、習慣にはなっていない。
だから、余り期待していなかった。しかし、『決断』をiPhoneで実際に読んでみたら、コレが結構いけるのだ。
元々横書き向けなお話だったとか、一問一答式でその長さが、大体うまい具合に5〜10ページに収まるようになっていたとか、拡大してみなければならない細かい図がなかったとか。
内容が形式に合っていたというのもあると思うけど。

まぁ、書籍をデジタル化するメリットは色々あるとおもう。
  • 新作も、旧作も品切れ、絶版にならない
  • 場所を取らないので、本の量が場所の制限から解放される
  • 持ち歩きが楽
  • 在庫、流通に費用がかからない
  • 発売からの現金化が早い
  • 著者に印税として入ってくる割合は、今だとせいぜい10%だが、コレが半分とかになる
  • 編集者もフリーランスという形態が生まれるかも
  • 自費出版、同人誌なども気軽に出せる
  • 試し読みを気軽にできるかも
  • 断片購入とかもできる (既に、米アマゾン計画あるらしい)
  • 誤記などを適宜アップデートできる
  • 線引きとかも、共有できるんじゃない?
  • 本と本の間のハイパーリンクを貼ることができる
この中で、一番興味深かったのが、最後の「線引きの共有」と「本同士のハイパーリンク」ってお話。

この間、松岡正剛の『多読術』を読んでいて、本をノートとして使う、みたいな話が載っていた。
おいら自身は、本に書き込みを入れるのは、なんだか恐れ多いというか、貧乏性なので付箋をはってメモを書いて、ブログなり、テキストファイルなりに書いたら剥がしている。

しかし、一方で、他人がどういう線引きをするのか?ってことには、凄く興味がある。
多くの人の線引きが得られれば、その頻度を集合知的に利用できる。多くの人が線引きしている箇所を読めば、その本のエッセンスが得られるという訳だ。まぁ、ストーリーを楽しむものは、この限りではないが。
電子媒体であれば、線引き情報は別レイヤーとして持つことができるので、本そのものを汚す心配もない。
自分で一通り読んでから、線引きを読む。時間がないので、線引きの箇所だけ読むといった選択も可能になる。
本同士のハイパーリンクも簡単だ。引用部分や注釈、参考書籍の部分から、リンクを張っておけばいいし。逆に、どこに引用されているか?といった情報を埋め込むことも可能だろう。そして、それらの情報も更新可能になる。
論文の価値はどれだけ引用されたかによって決まると言うが、これは、論文に限った話ではない。膨大な書籍が全て電子化されたとすれば、どの本のどの箇所が、どの程度リンクされているかということも、いずれ数量化できるかもしれない。

さて、仕事柄、つい数量化などと書いてしまった。
画一化されたランキングだけの世界というのは便利だが、味気ない。
Googleは確かに、なくてはならないほど便利だ。誰もがそこそこ納得する検索結果を返してくれる。アマゾンの売上ランキングもわかりやすい。しかし、ロングテールの頭を助長しているようにもみえる。

おいらが本当に見たいモノは少し違ったところにある気がしている。
一般に価値あるとされたモノよりは、みなに忘れられているモノだ。
いってみれば、落ち穂拾いのようなモノだ。
 
もし、おいらの尊敬する人物が線引きをした本が売られていたら、買うと思う。
その人の視線を、見たいと思うからだ。
そういうことを、できないかとおもっている。

日曜日, 11月 15, 2009

「新釈 走れメロス 他四篇」森見 登美彦

新釈 走れメロス 他四篇 (祥伝社文庫 も 10-1)
森見 登美彦
祥伝社
売り上げランキング: 1761
おすすめ度の平均: 5.0
5 なぜあのときの彼女は、鵜山の映画の中にしかいないのだろう
5 これだけ成功していれば不謹慎のそしりはありえないでしょ


この間、「夜は短し歩けよ乙女」読んだばかりである。
そこに出てくる登場人物や舞台、場面が重なっている。
つまり、舞台裏のようにも楽しむこともできる。
「達磨」「象の尻」「パンツ番長」「詭弁論部」「進々堂」などなど。

後は、最初の作品に出てくる「斎藤秀太郎」という人物が
通奏低音の様に、ほとんどの作品に出没している。

しかし、漫画のノベライズとかであれば、珍しくもないが、
誰もが知っていると思われる近代の古典を
作品のタイトルに冠するとは、大胆不敵。

原作もだが、「桜の森の満開の下」がお気に入り。

「バレエ・メカニック」という作品を最近読んだせいで
登場人物や、誰の視点で書かれているか気になった。
下記に、原典の青空文庫へのリンクと、
ざっと、主要な登場人物を挙げておく。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/179_15255.html
■山月記
斎藤秀太郎
夏目孝弘 巡査
永田 理学部大学院
彼女

http://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/179_15255.html
■藪の中
俺 映画サークルの後輩
斎藤秀太郎
僕 映画サークルの後輩
私 長谷川の友人
鵜山 徹 監督
長谷川 菜穂子 主演
渡邊 真一 主演

http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html
■走れメロス
芽野史郎 詭弁論部
芹名雄一 詭弁論部
図書館警察長官
須磨

http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1567_14913.html
■桜の森満開の下


斎藤秀太郎

http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/files/676_23236.html
■百物語
森見 私
F君
斎藤秀太郎
鹿島
芽野史郎
芹名雄一
永田
深淵

月曜日, 11月 09, 2009

Twitter本3冊+Twitterについておもうこと

買った(読んだ)順に、3冊。
他にも出ているし、 これから出る本もあるが、とりあえずこのあたりで自分の考えをまとめておく。

ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)
コグレ マサト いしたに まさき
毎日コミュニケーションズ
売り上げランキング: 70
おすすめ度の平均: 4.0
4 情報を自分から積極的に出すこと
2 つぶやきの事例を公開
2 入門書?
3 読むなら早いうちに
5 Twitterってどう使うと嬉しい&楽しい&便利なの?が知りたい方へ

Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える
枝 洋樹 林 信行 小林 弘人 津田 大介 武田 徹 高須賀 宣 岡野原 大輔 片瀬 京子 高橋 秀和 亀津 敦
日経BP社
売り上げランキング: 220

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
津田 大介
洋泉社
売り上げランキング: 16
おすすめ度の平均: 5.0
5 読みやすい、深い
5 非 twitter 時間を twitter が実りあるものにする
5 自ら使い込んだ視点から書かれた良書

その前に、短めだがざっと感想というか印象。

■ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)
最初に読んだTwitter本。Twitterをビジネス利用の観点から期待する風潮が強いが、本書は「Twitterの楽しさ、楽しみ方」に焦点があたっている気がして、その点が好もしい。
リアルタイムで体験したエピソード、見逃したモノ、両方が含まれていて懐かしい気分を味わうと共に、知識の補完にも役に立った。

■Twitterの衝撃 140文字がビジネスからメディアまで変える
ごめんなさい。「Twitter社会論」を探しにいって、未だ置いてなかったのでつい買ったというのが正直なところ。
日経BPに連載された記事に+αして書籍にしたものらしい。
10名の方が、それぞれ章を担当しているので、いろいろな人の意見を見たいという向きにはよいのではないだろうか。

■Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
書名が「ウェブ進化論」を連想させる。今回紹介する3冊の中で、最も鳥瞰的にTwitter現象を論じている印象を受けた。
著者がジャーナリストなので、報道や政治へのTwitterの影響について、特に多くのページを割いて書かれている。


さて、 ここからは、わたしのTwitter体験と感じていることについて書いてみようと思う。

□Twitterの使い始め
もはや、何がキッカケで始めたのかは覚えていない。多分、ニュース記事でも読んだのだろう。そのころは、新しいネットサービスが始まると、とりあえず登録をしていたので、そのうちの一つだったと思う。
なにが面白いのかと問われても、良くわからん、としかいえなかった。友人を誘うときに、ちょっと困ってしまう、という感じ。
ただ、140文字制限とIMとBLOGの中間みたいな感覚が面白く、技術的に特に目新しいモノが無いにもかかわらず、新しいメディアができてしまったことに興奮していた。
直接の知り合い以外では、フォローしてくれた方や、こちらが一方的に知っている方とかをフォローするわけだが、その人達のやりとりの様子を含めて、ブログとは違った生っぽさを感じた。つまり、現実にはなかなか話す機会もない遠い人を、少し近く感じる効果があったのだとおもう。カンファレンスに参加するのと、ちょっと似たような感じかな?

わたしの当時のwikiにあるメモ。
http://sites.google.com/site/ytesaki/Home/Service/Twitter
このページは、最終更新が2007年の七夕になっている。このwikiはGoogleSiteに移行する前はJotSpotに置いていたので、いつ作成したページなのかの記録が残ってない。TwitterCounterによれば、Twitterのアカウント作成日は、2007年3月29日となっているので、その頃だろう。

□初めてしばらく
最初の頃は、TwitterrificというOSX用のクライアントソフトを使っていた。また、そのころはAUの携帯電話を使用していたので、ペパボのf-shinさんの作ったモバツイッターは、ありがたかった。かなり初期から存在していたイメージ。
http://f-shin.net/labs/2007/04/twitter.html
F-shinさんのブログによると、2007年04月08日 にリリースされていたらしい。
この頃、週末毎にブックオフへ妻と二人ででかけていたのだが、自由ヶ丘の喫茶店で二人して向かい合いながら、Twitterをやっていたような記憶がある。
これも、2007年4月8日だがフォロワーを、2〜300人ぐらいに増やしてみたらしい。フォロワーを増やすとTLの景色が変わる。その後、小野和俊さんのこのエントリーをキッカケに、さらにフォロワー増やしてみたようだ。

その後、TumblrやGoogleに買われたJaike、国内でも 続々と似たようなサービスが始まり、ミニブログという一つのサービスジャンルとして認識されるようになった。
http://sites.google.com/site/ytesaki/Home/Service/Miniblog

友人の中には、Twitterのオフ会に参加したり、友人を増やしたり、いきなりの飲みにいったりと、随分アクティブに使っている人もいた。私自身は、あまり飲みに行かない人なのでそういう場にはいっていない。おそらく、一方的に知っているだけの方に@レスをつけるのに、なんとなく物怖じしていたのかもしれない。正直、その友達が、ちょっとうらやましかったようだw
ただ、IT系のカンファレンスに参加したときなど、その場の興奮を伝えたくて、結構つぶやいたりしていたとおもう。ノートは持っていないので、「tsudaる」っていうほど、きちんと実況しようという意志があったわけではないが。
2007年9月頃にiPodTouchがでているので、それ以降は、iPodTouch経由でつぶやいていたようだ。IT系のカンファレンスはWiFi環境が整っていることが多い。

□iPhone購入
別の友人の一人は、例の表参道店の行列に並んだのだが、わたしは少し経ってから購入している。というのも、iPodTouchを既に購入していたからで、買い足すべきかどうか財布とにらめっこで悩んでいたというところ。
しかし、なんだかんだで、結局、 2008年8月には購入している。
実際、買ってよかったと思う。Twitterもそうだが、RSSの未読処理なども電車や喫茶店の中でできるようになったのが大きかった。
※今は、同じように3GSに嫉妬している。でも、今回は我慢、月賦終わってないし。

□生存報告
それから、今年のブレークまでは、Twitterについては、特に熱くなることもなく、冷めるわけでもなく、RSSリーダーやメールと同様に使っていた。カンファレンスに行ったときに、大量にコメント吐く以外は、時々友人のつぶやきに@レスしたり、朝会社に到着すると「おはよ」といった挨拶を投げる。まぁ、いってみれば、生存確認のようなモノである。
フォロワーの数も、カンファレンスなどのイベントで少しづつ増やしてはいたものの、700人くらいからは、それほど増えていなかったとおもう。

□2度目のブレーク
今年入ってしばらくしてから、風向きが変わってきた。
勝間女史の参加あたりからが顕著だったと思うが、急激に参加ユーザーが増え、Twitterの話題も増えてきた。直接関係はないかもしれないが、身の回りのiPhone普及率も急激に増えてきていた。

私自身は、それから少し遅れて10月の頭あたりからTwitterの使い方を変えてみている。
私は、6月末に共著で本を出しているのだが、今考えると、もうちょっと早くTwitter上でも動いていれば、本の売れ行き違ってたかな?とか、思ったりもするが、実際にその時はそれどころではなかったわけで。まぁ、済んだことを考えても仕方ない w

使い方を変えてみたというのは、つまり、今までと比べて積極的に知らない人にも@レスをつけたり、RTしてみたり、あまり更新していないこのBlogの投稿を載せたり、少しでも気になった人はフォローしたり、意図的にジャンル違いかもしれない人をフォローしてみたり、時々は今何している以外の自分の考えの断片をつぶやいたり、ということである。

□Twitterについておもうこと
さて、そのように使い方を変えて何か変わったか?さて、まだ、途上ではあるので結果というべきモノはでていない。
しかし、ま、状況を変えるのには、自分のやり方を変えるのが一番てっとり早いということは、経験上知っている。
ウザイと思われる可能性もあるがフォローされていない人にでも@レスすると、意外に反応が返ってくるのだよね。たまにフォローしてもらえたりもする。それが、今は楽しい。
今、フォローしている人1350人、フォローされている人1150人。既にTLは、見切れていないし、見切ろうとも思ってない。
それも慣れると、あまり気にならなくなってくる。できれば、このまま、5千ぐらいまで増やしてみたい。何か、変わるだろうか?

誰か、Twitterはインフラだと書いていたと思うが、使い方次第で、色々な顔を見せてくれる。
実に、おもしろい。

私は、アクセス解析関連が一応本職で、Twitterの自己紹介にもそう書いている。
しかし、今のところあまりそれっぽいことを書いていないですね。
ごめんなさい。

土曜日, 11月 07, 2009

「バレエ・メカニック」津原泰水

バレエ・メカニック (想像力の文学)
津原 泰水
早川書房
売り上げランキング: 115434
おすすめ度の平均: 5.0
5 幻想小説発サイバーパンクSF行

ハム子が、今年出た新刊の中で一番面白いといっていたので、読んでみた。
※今年読んだ一番面白い本は別にあるらしい。

最初から、「君」という人称代名詞がでてくるのだが、少々奇異な印象を受ける。「君」が指しているのは、この章の主人公にあたる天才造形家 = 木根原魁 である。

後々、こういった人称代名詞をつかっている理由もわかるが、これに引っかかりを覚えて登場人物と設定を把握するのに、少々時間がかかった。

第一章は、9年前に海でおぼれて大脳皮質が壊死し植物状態にある「君」の娘 = 理沙 の特殊な能力によって人々は幻覚の世界に取り込まれており、壊れた現実感の中で物語が進んでいく。
早くから、「5番目」というキーワードが登場してくるが、これは一章の中で解決される。一章だけで、物語が一旦完結している印象を受けた。

二章は、その3年後の物語。
今度は、理沙の主治医であった異装倒錯者の医者 = 「<彼女>」= 龍神好実を中心に物語が展開する。
娘が生きているのではないか?という妄想から逃れられない木根原と共に「<彼女>」 による探索のエピソード。
後から考えると、三章の前振りが多かった。まぁ、この章は多分一番普通に読める。

さて、第三章になると、時間軸は、40年後の未来に移る。
この未来は、電脳コイルや攻殻機動隊を連想させるような肉眼でみたモノゴトではなく、高度な拡張現実によってみえているモノが<現実>ととらえるような、感覚の転換が起こっている世界である。

三章からの世界観の断絶具合は、何かに似ている気がしたのだが、森博嗣の「四季 冬」 第四章 だった。

まぁ、幻想文学 というより SF だと思って読んでいれば、特に違和感はないかも。

水曜日, 11月 04, 2009

Twitter の Lists で、なごむ TimeLine を作ってみよう




というわけで、Twitterの Listガジェットのテスト。
ネコのアイコンを使用している人を、無作為(適当)に集めてみました。
割とあっという間に500(Listに加えられる上限)にいっちゃいましたね。
http://twitter.com/ytesaki/nuko-icon

「多読術」 松岡正剛

多読術 (ちくまプリマー新書)
松岡 正剛
筑摩書房
売り上げランキング: 6741
おすすめ度の平均: 4.0
5 なかなか興味深い
5 松岡正剛が語る、読書「道」。
3 圧倒されて、満腹状態
3 この本を2回読んだ上でレビューを書きます。
4 「本は二度読む」、「目次読書法」、「『江戸の私塾』の読書法」。聞き手もよい。

久しぶりに、本を読んでいて、武者震いをする感があった。
「あ、ココで、つながっているのか」という感慨だ。

ひとつだけ挙げておく。この本の中で「キーブック」という概念が出てくる。その、キーブックの説明の中で、 クリストファー・アレグザンダーの「セミラティス」がでてくるのだ。
アレグザンダーの名前は、IT系でも聞いたことがあるという人がいるかもしれない。アジャイル開発のXP や プログラミングでのデザイン・パターン、そしてWiki。これらの源流ともなったパタン・ランゲージを提唱した建築家である。
このあたりは、前にこのブログでも書かせてもらっている、江渡氏の「パターン、Wiki、XP」に詳しい。

松岡正剛に戻ろう。
松岡正剛の書いたモノを読むのは初めてというわけではない。かれこれ15年以上前、広島時代にウェブサイトを一緒にやっていた仲間が、松岡正剛を好きだったからだ。私も何冊かは読んでいるはずだ。
後、こちらは有名だが、千夜千冊というサイトがある。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/toc.html
理・文 またいで、有名な古典から隠れた名作まで様々な本について綴られたサイトだ。一度、千冊の区切りで終わったと思っていたが、更に続いているようである。

そして、松岡正剛プロデュースによる松丸本舗の開店である。
これが、本書を読むまでの松岡正剛との関わりであり、私の中では、ちょっとコアなあたりを好む文系識者の一人という位置づけだった。

この本を買った直接のきっかけだが、Twitterで、松丸本舗の開店についてつぶやいたところ、私の元上司で尊敬していたディレクターだった方の「(松岡正剛は)心の師匠です」というつぶやきが返ってきた。
この本のことは知っていた。平積みにもされていたし、上記の通り松岡正剛と編集工学の名前くらいは知っていたからだ。しかし、読みたい本はいくらでもあり、財布と時間は限られている。
数ある候補の内の一冊に過ぎなかったこの本を読むことができたのは、まさに「読書の3R」の一つ、レコメンデーションのおかげだといえるだろう。

さて、「多読術」は、松岡正剛の読書術について、インタビュアーとの対話として松岡正剛が答えていくという形をとっている。
この本を、いわゆる「役に立つ」本の見つけ方や、速読 や 多読 を行うための技術の書だと期待して買うと、外すとおもう。
逆に、活字中毒である私のような人間にとって、我が意を得たり、と思える本だった。

最近の私の読書傾向だが、漫画以外だと技術書とビジネス書に偏りがちと自覚はしているので、少々幅を広げ直そうと、改めて思う。