水曜日, 11月 04, 2009

「多読術」 松岡正剛

多読術 (ちくまプリマー新書)
松岡 正剛
筑摩書房
売り上げランキング: 6741
おすすめ度の平均: 4.0
5 なかなか興味深い
5 松岡正剛が語る、読書「道」。
3 圧倒されて、満腹状態
3 この本を2回読んだ上でレビューを書きます。
4 「本は二度読む」、「目次読書法」、「『江戸の私塾』の読書法」。聞き手もよい。

久しぶりに、本を読んでいて、武者震いをする感があった。
「あ、ココで、つながっているのか」という感慨だ。

ひとつだけ挙げておく。この本の中で「キーブック」という概念が出てくる。その、キーブックの説明の中で、 クリストファー・アレグザンダーの「セミラティス」がでてくるのだ。
アレグザンダーの名前は、IT系でも聞いたことがあるという人がいるかもしれない。アジャイル開発のXP や プログラミングでのデザイン・パターン、そしてWiki。これらの源流ともなったパタン・ランゲージを提唱した建築家である。
このあたりは、前にこのブログでも書かせてもらっている、江渡氏の「パターン、Wiki、XP」に詳しい。

松岡正剛に戻ろう。
松岡正剛の書いたモノを読むのは初めてというわけではない。かれこれ15年以上前、広島時代にウェブサイトを一緒にやっていた仲間が、松岡正剛を好きだったからだ。私も何冊かは読んでいるはずだ。
後、こちらは有名だが、千夜千冊というサイトがある。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/toc.html
理・文 またいで、有名な古典から隠れた名作まで様々な本について綴られたサイトだ。一度、千冊の区切りで終わったと思っていたが、更に続いているようである。

そして、松岡正剛プロデュースによる松丸本舗の開店である。
これが、本書を読むまでの松岡正剛との関わりであり、私の中では、ちょっとコアなあたりを好む文系識者の一人という位置づけだった。

この本を買った直接のきっかけだが、Twitterで、松丸本舗の開店についてつぶやいたところ、私の元上司で尊敬していたディレクターだった方の「(松岡正剛は)心の師匠です」というつぶやきが返ってきた。
この本のことは知っていた。平積みにもされていたし、上記の通り松岡正剛と編集工学の名前くらいは知っていたからだ。しかし、読みたい本はいくらでもあり、財布と時間は限られている。
数ある候補の内の一冊に過ぎなかったこの本を読むことができたのは、まさに「読書の3R」の一つ、レコメンデーションのおかげだといえるだろう。

さて、「多読術」は、松岡正剛の読書術について、インタビュアーとの対話として松岡正剛が答えていくという形をとっている。
この本を、いわゆる「役に立つ」本の見つけ方や、速読 や 多読 を行うための技術の書だと期待して買うと、外すとおもう。
逆に、活字中毒である私のような人間にとって、我が意を得たり、と思える本だった。

最近の私の読書傾向だが、漫画以外だと技術書とビジネス書に偏りがちと自覚はしているので、少々幅を広げ直そうと、改めて思う。

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