木曜日, 7月 08, 2010

iPhoneのRetinaディスプレイについて一言

iPhone4を手に入れて、一週間ばかりたった。

元々、おいらは3Gユーザーだったので、倍以上に感じられる速度と4倍になったメモリの恩恵がなにより大きい。
3GをiOS4にupdateしてしまったために、アプリが落ちたりフリーズしたりと、ストレスを溜めまくっていたからね。
また、マルチタスクもアプリ切替時に前アプリの状態を復元できることで、アプリ切り替えの心理的コストを大幅に減らしている。
画面の方向ロックも地味に嬉しい。
フロントカメラ装備や、カメラの性能アップ、ジャイロを利用したアプリも楽しみだ。
もちろんデザインも変わっているし、アンテナの問題を気にしている人も多いかもしれない。

だが、ここで取り上げたいのは、Retinaディスプレイだ。
「網膜」ディスプレイと名付けるだけあって、326ppiという今までの倍の解像度、画素数で言うと4倍である。
実は、この高精細な解像度は、iPhone4が一番でも初めてでもないという話があり、Appleのマーケティングに踊らされていると揶揄する声も聞こえる。
これは本当にそれだけの話だろうか?

おいらは、これは正統にApple=ジョブスの思想を反映しているスペックと名称だと感じた。
WYSIWYG(ウィジウィグ)という言葉がある。
「コンピュータのディスプレイで見たままに、同じサイズで印刷結果が得られる事を指していった言葉」とWikipediaにある。
http://ja.wikipedia.org/wiki/WYSIWYG
Macintoshも、そしてOSXの元となったNEXTSTEPも、WYSIWYGの思想を色濃く受け継いでいる。
Macintoshでは、1ポイント=1ドット=1ピクセルという原則を打ち立てたため、72dpi(ppi)というマジックナンバーが存在した。
後に、PC用ディスプレイは大型化し、解像度も72dpiよりも細密になり、この原則は薄れていった。
現在のパソコン用のディスプレイの解像度は、100〜150ppiぐらいが主流だと思う。

そして、OSXはWYSIWYGの延長上に、解像度というものがやがて視認限界点に達し解像度の意味が決定的に変化する地点を見据えた概念を実装している。
これが、国内では2007年のLeopardTechTalkで語られた、レゾリューションインデペンデンス。(Apple自身は、2005年ぐらいから提唱し始めていたらしい。)
http://developer.apple.com/jp/events/techtalks/descriptions.html

参加してたので、よく覚えている。
http://www.alglab.com/Home/Event/LeopardTechTalks

以下、抜粋。
■レゾリューションインデペンデンス
講演の内容の中では、ほんの一部でしたが、Web屋とって非常に重要な話しもでていたので、書いておきます。
Wysiwygのようなことかな?と思っていましたが、もうちょっと切実です。
何かというと、更に高解像度のモニタが出てきた場合、例えば今の倍の解像度のモニタが現れた場合、画面の解像度が人間の視力の解像度を超えるということが考えられます。
そこで、モニタの解像度に応じてOSの表示要素(例えば、メニューの文字などの表示要素)も拡大縮小しようというのがレゾリューションインデペンデンスという考え方です。
さて、そのときウェブブラウザはどうなっているのでしょうか?
HTMLの理念からすれば、レゾリューションインデペンデンスに追従すべきです。あるいは、モードの切り替えなどで対応できるべきです。
端境期において、これがブラウザ側で解決されるのか、OSが解決するのか?よくわかりませんが、フォントサイズだけではなく、画像やレイアウトに関してもpx指定そのものが悪となる時代が遠くない将来に来ていることを実感しました。

でも、それ以来レゾリューションインデペンデンスなんて言葉は聞かないし、全然流行らなかったみたい。でも、概念はいつの間にか実体化していたというわけ。
電子書籍の問題などとも絡んで、この周辺の仕様や概念は、今後重要になってくるかもしれない。

HTMLコーダーの人は、なぜpixcelが相対単位なのか?
不思議に思ったことってありません?

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