日曜日, 5月 02, 2010

「国家の品格」今更読んでみた

国家の品格 (新潮新書)
国家の品格 (新潮新書)
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藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 3644
おすすめ度の平均: 3.5
3 玉石混合
4 日本人はもっと日本を愛して欲しい。
4 場違いかもしれませんが・・・・
2 偉大なる感想文
4 これでいいと思う。


たいそう売れた本らしい。
この手の本、ほとんど新刊では買わない。
世の中で非常に売れたらしい本は、旬が遙か遠くにいったころに
ブックオフで100円で仕入れる事にしている。
今だったら「1Q84」とかw

http://ja.wikipedia.org/wiki/藤原正彦

実は、この人絡みの本、一冊だけ読んでいた。
「博士の愛した数式」(小川洋子)の出版後、共著で書かれた「世にも美しい数学入門」。
これは、良かった。「国家の品格」も、ほぼ同時期に書かれた本なんだよな。

ま、裏表紙の写真とか、本文の書き出しとか、なんか胡散臭いオヤジなわけだが。
グローバル化しか見ていない日本を真っ向から否定していて、なんとも小気味よい。
論陣は、牽強付会だと思うので、鵜呑みにすべきではないと思う。
そもそも、この本の中で著者自身が論理だけでモノゴトを進めることを否定しているのだから。
後は、自分でよく考えろ、ということだと思って読めばいい。

それでも、いくつか気に入った部分はあった。
「家族愛」>「郷土愛」>「祖国愛」>「人類愛」
のくだりとかね。

難しいと思ったのは彼が「武士道精神」と呼ぶ「しつけ」を重視すると思われる教育論。
これは、学校教育というよりは「親」や「世間」に依存する部分だと思う。
おそらくは、実践すべき環境そのものが既に失われて久しい。
そういう意味では、彼の主張が正しいにしろ間違っているにしろ、検証が不可能に思える。

いずれにしても、今の日本は名目上のグローバル化に寄りすぎているのかもしれない。
グローバルの中でこそ生きるはずの、ローカルから生まれる普遍性に価値を見出していない。
日本人が日本人としての誇りを見失っているということ。

ナショナリズムに走るのは論外だが、彼のいうところの「祖国愛」について考えるのは、悪くない。
「日本が好きだ」と、てらいなく言えたらいいと思う。

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