木曜日, 5月 06, 2010

iPadのもたらす可能性について

このエントリを書くきっかけになったのは、芦田氏の記事だった。
http://www.ashida.info/blog/2010/05/ipad_ipad.html

iPadが米国で発売されてから、持って帰ったり、輸入したり、知り合いに買ってきてもらったり、ヤフオクで落としたりと、結構な台数を周囲で見たと思う。
ところが、iPadの発表当初は割と見られたと思う否定的な意見を、発売以後はほとんど見たことがない。
そんな中で、まとまった形で批判的な意見が書かれた記事ということで、興味深く読ませてもらった。

読んだことで、自分がiPadに何を期待しているかはっきりした。
これは、個人的な期待を含めていうのだけど。
iPadは、新しいコンピューティングスタイルをつくるエポックメイキングなマシンになる。

ま、iPadの実物に触ったのは、数分程度。
だから、此処に書くのは、あくまで想像と印象、期待と概念についての話であることを、一応断っておこう。
手に入れたら、別に感想でも書くけどね。


さて、一定の年齢より若い人の中には知らない人もいると思うが、PC=「パソコン」という言葉はパーソナルコンピュータの略だ。
これは、かつて個人がコンピュータを持つことが当たり前ではなかった時代に、オフィス用のコンピュータに対して個人が所有し使用するコンピュータに対しつけられた名称だと思う。オフコンって言葉もあったっけ?知らない人の方が多い?
一方パソコンとは別に、ファミリーコンピュータという言葉もあった。つまり、任天堂の「ファミコン」だ。
こちらは一般名詞というより商標なので、あまり概念という感じはしないけどね。
ファミコンの初期のゲームには、対コンピュータの1人遊びと、対戦型の2人プレイを楽しめるものが多く、確かにファミリーが一緒に使用するコンピュータという一面を持っていた。スポーツの対戦ゲームを思い浮かべるとわかりやすいだろうか?

私が個人的にiPadに期待していることが、この「ファミコン」の復活・復権なんだな。
ゲームだけじゃなく、もうすこし汎用的に共同で使用されるコンピュータのイメージ。

「パソコン」はいくら画面が大きくなろうが、マルチディスプレイにしようが、ディスプレイにキーボードとマウス、デスクに椅子という組み合わせである限り、1人で使用するものだ。ノートPCになっても、この状態は特に変わらない。
ペアプログラミングなどというものがあったりするが、わざわざ名前がついているくらいだから、2人以上で1台のパソコンを使うというのは普通じゃないんだ。
プレゼンをするときも、画面を見せている相手は大勢でも操作するのは1人でしょう?

では、iPhoneならどうか?
タッチスクリーンはいい。
でも、今度は、小さ過ぎるんだ。
向かい合わせにしても、隣合わせにしても、2人で見るには少々小さすぎる。
本当に見せたい場合は、手渡す必要がある。
それから、スマートフォンは携帯と比較されるレイヤーの商品なので、パソコン以上に個人使用の色が強いんだよね。

さて、iPadだ。
芦田氏の指摘の通り、iPadは携帯性ではiPhoneより落ちる。
ブックリーダとしても、バッテリーの持ちなど微妙に中途半端かもしれない。
一方、汎用性や性能では、ノートPCには叶わない。

でも、iPadは下記の特徴を全部持ち合わせている。

  • マルチタッチのタッチスクリーン
  • iPhoneよりは大きく、PC程かさばらない画面の大きさ
  • テーブルに置きやすいスレートという形(キーボードなし)
  • ケーブル不要(Wi-Fi・バッテリ駆動)

これなら、ペアコンピューティング、マルチコンピューティング =「ファミコン」 が、ある程度可能じゃなかろうか。

iPadには、iPhone同様メールやカレンダー、住所録がついてくるし、マルチアカウントでもない。どうやら、個人ユースの流れを汲む商品のようにみえる。また、今のところカメラもついていない。(マイクはどうなんだろう?)
つまり、iPadは徹底して「ファミコン」を追求したマシンではないし、Jobsも「ファミコン」という使い方を明確には意図してはいないと思う。

でも、iPadが進むべき方向は、こっちにあるとおもう。あって欲しいと思う。
iPadがPCから離れて、スタンドアローンになったら、もっとはっきりするんじゃないかな?


ちなみに、私はiPod-Touchを買って、そのあとiPhoneを手に入れた。

機能の差は、

  • 3Gでいつでもインターネットに繋がること
  • カメラがついていること
  • GPSがついていること
  • (ついでに)電話がかけられること

以上。

大した違いではないようにも思えた。
ところが、実際に使い始めると(最後の一つを除いて)これらの一つ一つが、ものすごく大きな違いであることに気がついた。

iPadに対しても、そんな期待があるんだよね。


#追記 100507_23_15
パソコンの前に、マイコンって言葉があったはず。いつのまにやら死語になってたけど。
マイクロコンピュータに、後で「my=自分の」という意味あいが付け加わったものだったはず。
記事では「ファミコン」って言葉を使っちゃったけど、ホントはファミコンじゃないんだよね。友達同士や、なんかの集まり、会議の場なんかを含むわけで、家族団らんのイメージにだけに縛られたくはないし。
とはいえ、こんな記事を見ると、ファミリー向け訴求はマーケティング的には「あり」という気がしてくる。
http://bit.ly/br4m5s



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